現在利用しているOffice365のツールの1つであるSharePoint Onlineへ、ローカルPCやファイルサーバーにある大量のデータを移動するべく、簡単にできる方法を探してみました。
いろいろな方法がありますが、無料のツールで簡単にできる方法がありましたので紹介したいと思います。
その名も「SharePoint Migration tool(SPMT)」。Migrationは移行の意味ですので、SharePoint移行ツールということですね。そのままです。シンプルイズベストですね。
ちなみにSharePointの同期機能を使って移動することも1つの方法ですが、この場合は一度に移動できるファイル数やサイズに制限があったり(筆者環境で試したところ、ある程度大量のファイルになると途中でエラーが出てしまいました)、ファイルの更新者が移動する時に使っていたアカウント名に書き換わったりなどのデメリットがあるので、数十個程度のファイル移動であればあまり問題がないのですが、数千、数万個の大量のファイルやフォルダを移動するようなケースであればこのツールを使ったほうがベターです。
早速、このツールを利用した大量のファイル移動手順について説明していきます。
目次
作業環境:
Windows10 20H2, ThinkPad X395, Office365 E3 License
ツールのインストール
ツールはMicrosoftの公式サイトからダウンロードが必要です。
- https://docs.microsoft.com/ja-jp/sharepointmigration/how-to-use-the-sharepoint-migration-toolからダウンロードリンクを探して選択します。見つからない場合はこちら
- リンク先からインストールのexeをダウンロード後、こちらを実行し画面に従いインストールを完了させます。
- インストール完了後、スタートメニューまたはデスクトップのショートカットから実行できるようになります。
ツールの移行前設定
- インストールしたSPMTを実行します。
- SPMTが起動し、Microsoftアカウントの認証を求められるので、アカウントID(メールアドレス)を入力します。※SPMTが起動したタイミングで更新を求められる場合は更新推奨です
続けてパスワードを入力します。
MFA(多要素認証)が設定されている場合は、ここで認証を求められます。
- 認証が正常に完了すると、SPMTのダイアログが以下の様に変わりますので、「新しい移行の開始」ボタンを押下します。一度移行作業を行うと、完了後に移行した設定を保存することができますので、保存した設定を利用する場合は「保存された移行を表示」から進みます。
移行作業
今回は例として、ローカルフォルダからSharePoint Onlineへデータをコピーする手順を説明します。
- 「新しい移行の開始」を押すと3つのオプションが表示されますので、「ファイル共有」を選択します。
- 「フォルダーの選択」ボタンから、移行(コピー)元のデータがある場所を参照し、OK→「次へ」ボタンを押下します
- コンテンツのコピー先としMicrosoft Teams,SharePoint, OneDriveの3つのオプションが表示されるので、SharePointを選択します。
- 移行先のSharePoint上のサイトURLを求められますので入力します。「次へ」を押すと移行先ライブラリの選択プルダウンが表示されるので、コピー先に指定するライブラリを選択した後、「次へ」を押します。
- 以降の確認画面に進むと、この移行に任意の名前を付けることができます。移行完了後に保存すると、SPMTツール起動時の「保存された移行を表示」ボタンから参照することができるようになります
- 以下、設定の選択画面ではデフォルトの状態では画像のようになっています。特別必要ない限りはデフォルトの設定がオススメです。
最後に「スキャン」ボタンを押すとコピー元フォルダ・ファイルスキャンが開始し、問題なくスキャンが完了すればそのままファイルのコピーが始まります。 - 移行が正常に完了すると、以下例のような画面になります。
項目数やファイルサイズが足りない場合などは、ここで保存して「保存された移行を表示」から「増分の実行」を行うことで解消される可能性があります。(筆者の場合これでかなり治りました)
まとめ
ネットワークの状態が悪かったり、タイムアウト等でエラーが発生する場合もありますが、筆者の環境では増分の実行を繰り返し試すとうまくコピーできるケースがほとんどでした。
増分の実行で解決できないエラー等があった場合は、対処法などまた紹介していきたいと思います。
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